京都の大禅宗寺院初の大規模展覧会 特別展「東福寺」会場レポ(東京国立博物館 平成館)

2023-03-12

投稿:ススミカマガジン編集部
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京都の大禅宗寺院初の大規模展覧会 特別展「東福寺」会場レポ(東京国立博物館 平成館)

先行でYou Tubeチャンネルの方でレポート公開していますが、東京国立博物館にて特別展「東福寺」3月7日(火)に開幕しました。京都・東福寺の寺宝をまとめて紹介する初の機会で、会期は5月7日(火)まで。画聖とも崇められた絵仏師・明兆(みんちょう)による畢生の大作「五百羅漢図」の現存する全47幅が修理後初公開されるほか、巨大伽藍にふさわしい特大サイズの仏像などの展示も。「すべてが規格外」「「圧倒的」の京都の大禅寺の寺宝を心ゆくまで堪能できます。

会場のようす

今回、会場レポートは動画版でお楽しみいただくことにして、この記事では3点だけ独自ピックアップ。

第二会場の最終セクションは迫力の仏教彫刻の展示。写真の《二天王立像》は鎌倉時代の作で、数十年前まで東福寺の三門に置かれていたものです。高さは約3.4メートルもあります。

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重要文化財 二天王立像[吽形] 13世紀 鎌倉時代 東福寺

ところが、相当に巨大な《二天王立像》よりはるかに大きい仏像が。この《仏手 東福寺旧本尊》は明治14年(1881)に焼失した東福寺の旧本尊の一部。明治時代ではありましたが、ありし日の本尊の写真が現存していないため、かつての巨大さをしのぶことができる数少ない遺構となっています。手だけで2mを超えており、おそらくは立てば約15mもの巨大な仏像であると推定されています。

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仏手 東福寺旧本尊 鎌倉~南北朝時代 14世紀 東福寺

こちらは、東福寺の通天橋の紅葉の景色を再現した展示。このセクションは一般の来場者も写真撮影が可能です。トラベローグの取材下見で、紅葉の時期に東福寺の通天橋に行ったことがありますが、ちょうどこの展示と同じビジュアルが展開していました。春の上野にいながら秋の東福寺を体験できる貴重な瞬間です。

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会場レポート動画

「特別展「東福寺」《会場動画》すべてが規格外!東福寺の寺宝を一挙公開」報道内覧会より、会場のようすをほぼフルサイズで紹介しています。もう1本の動画「特別展「東福寺」 研究員が解説する展覧会のみどころ(高橋真作先生/東京国立博物館)」と併せてどうぞ。

展覧会のみどころ-全てが圧巻。京都の大禅宗寺院「東福寺」初の大規模展覧会

東福寺の寺宝がまとめて紹介される初の機会となる特別展「東福寺」。草創以来の東福寺の歴史をたどりつつ、大陸との交流を通して花開いた禅宗文化の全容を幅広く紹介し、東福寺の日本文化における意義とその魅力を余すところなく紹介する展覧会となります。

新緑や紅葉の名所として知られる大本山東福寺とその塔頭には、中国伝来の文物をはじめ、建造物や彫刻・絵画・書跡など禅宗文化を物語る多くの特色ある貴重な文化財が伝えられ、国宝や重要文化財に指定されるものは105件に及びます。会場では、「画聖」とも崇められた絵仏師・明兆(みんちょう)による畢生の大作「五百羅漢図」の現存する全47幅を修理後初公開されるほか、巨大伽藍にふさわしい特大サイズの仏像や書画類の優品などが一堂に並びます。(※会期中展示替えがあります)。

東福寺について

東福寺は鎌倉時代前期に摂政・関白を務めた九条道家(くじょうみちいえ)が、奈良の東大寺と興福寺とを合わせたような大寺院の創建を発願し、開山として円爾(えんに / 聖一国師 しょういちこくし)を招いて建立した禅宗寺院です。後世「伽藍面(がらんづら)」と称されるほど我が国随一の巨大伽藍を誇り、多くの弟子を育成しました。南北朝時代には京都五山の第四に列し、本山東福寺とその塔頭(たっちゅう)には中国伝来の文物をはじめ、建造物や彫刻・絵画・書跡など禅宗文化を物語る多くの特色ある文化財が伝えられています。国指定を受けている文化財の数は、本山東福寺・塔頭合わせて国宝7件、重要文化財98件、合計105件におよびます。そのうち東福寺所属の絵仏師・吉山明兆(きっさんみんちょう)は大部の禅宗画を数多く描き、代表作に近年大修理の完成した重要文化財「五百羅漢図(ごひゃくらかんず)」があります。

事前予約が不要に

本特別展では「事前予約不要」が採用されています。編集部で確認する限り、平成館で開催される特別展で事前予約無しで観覧できるのは、2019年の特別展「三国志」以来と思います。本当に久しぶりです。※なお、2020年の特別展「出雲と大和」も予約不要でしたが、コロナ禍の影響で途中閉幕しています…。事前予約制導入後、博物館から足が遠のいたという声、また、トラベローグの「国宝展」動画の方でも、事前予約のチケットが取れず来館を断念したというコメントも多数あります。今回、事前予約不要となることで、気軽に日本文化に触れられる場所が復活することにもなり、編集部としてもとても期待しています。ただし。公式サイトによると「混雑時は入場をお待ちいただく可能性があります。」ということですのでご注意を。チケット購入の詳細については展覧会の公式サイトをご確認ください。

リソース

特別展「東福寺」は5月7日(日)に東京展が閉幕した後、10月7日(土)より京都国立博物館 平成知新館での京都展が開催されます。実際の東福寺とセットで鑑賞ができる機会となり、こちらも注目ですね。

  • 取材ご協力:東京国立博物館さま、特別展「東寺」広報事務局さま
  • 記事中の動画・写真はすべて編集部によるもの
  • 報道向け内覧会にて、特別に許可を得て撮影しています。

特別展「東福寺」開催概要

  • 東京展
    • 2023年3月7日(火)~5月7日(日)
    • 東京国立博物館 平成館【上野公園】
  • 京都展
    • 2023年10月7日(土)~12月3日(日)
    • 京都国立博物館 平成知新館【東山七条】
  • 記事中のチラシは東京国立博物館にて配布されていたものを編集部にて撮影

展覧会の公式サイト

特別展「東福寺」

tofukuji2023.jp

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