映像ツアー:「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」補足記事
「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」 取材動画の補足記事です。
長居植物園は昭和49年の開園で、2024年で開園50周年を迎えました。「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」は長居植物園の夜の常設展。2022年7月にオープンした同ミュージアムへの訪問は2年ぶりとなります。今回の取材動画では、昨年12月に追加された作品など、あらためて、「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」 の魅力をご紹介していきます。
「チームラボボタニカルガーデン大阪」は、花や草木などの植物が作品の一部となっており、それらは春夏秋冬、植物園の四季と共に移り変わっていきます。これはチームラボの「Digitized Nature」というアートプロジェクトの一環で、非物質であるデジタルテクノロジーによって、自然を破壊することなく「自然そのものが自然のままアートになる」というものです。夜の植物園を散策する気持ちよさは、日中とはまた違った非日常的な体験。自然をより深く感じながら、アート作品を愉しめます。
00:00 OP
00:15 《 生命は連続する光 – ラクウショウ 》
00:36 《 呼応するサルスベリ 》
01:14 《 呼応するツバキ園 》
02:42 《 自立しつつも呼応する生命の森 – ユーカリ 》
02:56 《 具象と抽象 – 二次林の入口 》
03:24 《 Walk, Walk, Walk – 二次林 》
05:02 《 森に憑依する炎 – 二次林 》
05:36 《 浮遊する、呼応する球体 》
07:04 《 風の中の散逸する鳥の彫刻群 》
08:30 ED
映像の補足記事
今年に入ってから、動画内へ生でナレーションを入れる形式を採用していますが、今回は会場の雰囲気や没入感などの邪魔にならないように映像の頭と最後のみに入れています。以下、いくつか取材メモ的に補足を記しておきます。
00:20~ ラクウショウの気根
正面ゲートを入ると最初に登場する、光り輝くラクウショウ並木の作品《生命は連続する光 – ラクウショウ》。光は来場者が近くを通ることでさらに強く輝き、音色とともに周辺のラクウショウの木へ光を伝播させていきます。映像中、00:36に映っているのはラクウショウの気根で、根の一部を地上に出して呼吸するための気根です。樹木の生きてきた長い時間の証でもあり、あるいは人形やオブジェのようでもあります。
01:14~ 《ツバキ園の呼応する小宇宙》
ツバキ園に密集するOvoid(卵形体)。人が押したり、風に吹かれたりすると、光と音色とともに立ち上がり、周辺のOvoidもそれに呼応していきます。《ツバキ園の呼応する小宇宙 – 液化された光の色, Dusk to Dawn》は57色の「液化された光の色」、《ツバキ園の呼応する小宇宙 – 固形化された光の色, Dusk to Dawn》は61色の「固形化された光の色」で変化していきますが、これらは光だからこそ発色できる色です。また、日中もこれらOvoidは設置されており、太陽の光や周囲の様子を映しています。植物園に四季があるように、作品にも時間の移ろいが存在しています。
03:23~《自立しつつも呼応する生命の森 – ユーカリ》
ユーカリの広場に密集して立ち続ける光のovoid(卵形体)の作品。それぞれ自律しているovoidは、人にかき分けられたり、風に吹かれたりして倒れると、立ち上がりながら光の色を変え、色特有の音色を響かせます。この作品は2025年2月22日よりリニューアルされました。以前の映像と比べると光の色が変わっているように感じます。ovoidを実際に手で揺らしたりするほか、シルエットとともに撮影を愉しむ来場者も多いということです。
また、香りにも五感を刺激されます。もちろんこれはユーカリの香り。「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」が植物園と一体化した作品であるということをあらためて感じました。
05:02~《森に憑依する炎 – 二次林》
森の中で燃え続ける炎は、リアルタイムで描画され続けており、同じ瞬間は二度とありません。チームラボが模索する「Distributed Art」という概念の一貫で、《Distributed Fire》のアプリを持って作品の炎に近づくと、スマートフォンに炎がともり、作品を持ち帰ることができます。また、持ち帰った炎をは、他の人のスマートフォンに近づけることで炎をともすこともできるということです。海外からの来場者も非常に多い「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」ですが、この作品の前でほぼ全員が立ち止まって注目しているのが印象に残りました。
05:36~《浮遊する、呼応する球体》
2024年12月17日に追加された作品。それぞれ自律している光の球体は、人が叩くと、もしくは、風が吹いた時、色を変え、色特有の音色を響かせるます。その周辺の球体も次々と呼応し、同じ色に変化し音色を響かせながら連続していきます。強風時は展示されない場合もある、天候に左右される、ある意味「幻の作品」。
当初の取材予定の日が荒天であったために展示ができず、1週間予定を延期しての取材撮影となりました。この作品も展示エリア内に入り、実際に球体に触れることができます。小さなお子さんも大喜び!
07:04~《風の中の散逸する鳥の彫刻群》
編集長が個人的にチームラボ作品の中で最も好きな作品。
彫刻群周辺を、実際に鳥が飛ぶことで生じるエネルギーを描き続けるインタラクティブなアート作品です。
鳥が空気や周囲の環境に当たるエネルギーを捉え、その日に飛んだ鳥たちが世界に与えた影響を表現しています
鳥がその周辺を飛び回らない限り、彫刻群は暗闇に溶け込み、存在しないに等しくなります。
彫刻群のある池の島には、鳥の食べる虫が集まる草木が植えられていますが、鳥も虫も、池の島の草木だけで存在しているわけではなく、植物園全体の池と森の生態系によって存在しています。
生態系全体が作品とも言え、作品の存在の輪郭は、物質的な彫刻の境界面でなく、周辺の環境に対して連続的で曖昧となっています。そしてこれは「生命の存在の輪郭はどこか?」という本ミュージアムのテーマでもあります。
チームラボ ボタニカルガーデン 大阪
開催時間は時期により異なります。詳細等はお出かけ前に必ず公式サイトをご確認ください。
- チームラボ ボタニカルガーデン 大阪
- 公式サイト:botanicalgarden.teamlab.art
- #チームラボ大阪
- 常設
- 長居植物園 (大阪市東住吉区長居公園1-23)
※取材ご協力 チームラボさま
※特別な許可をいただいて撮影しています