「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」で巨大な炎の新作を体験してきた
「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」 新作は炎を描いた2作品
東京・豊洲の水に入るミュージアム、チームラボプラネッツ TOKYO DMM にて、炎を描いた2つの新作 《空から噴き落ちる、地上に憑依する炎》と《憑依する炎》が、4月7日(水)より公開中です。チームラボ作品で炎が扱われるのは初めてのこと。
チームラボプラネッツは、超巨大な4つの作品空間と屋外作品を中心とした計8作品による「水に入るミュージアム」。2018年7月の開館から200万人以上が来館しています。
季節とともにうつろう作品《Floating in the Falling Universe of Flowers》では4月30日まで春限定の空間が広がるなどの新しい見所も登場。編集部ではメディア向けお披露目会を取材、一足先にチームラボプラネッツ TOKYO DMMのこの春の新たな魅力を紹介します。
《空から噴き落ちる、地上に憑依する炎》はパブリックアートとしてゆりかもめ新豊洲駅のプラットホームからも鑑賞
新たな作品のひとつ《空から噴き落ちる、地上に憑依する炎》は、屋外に展示されたパブリックアート。入館の有無に関わらず、誰もが鑑賞することができます。デジタルテクノロジーによるアートとしては他に類のない大きさで、ゆりかもめ新豊洲駅のホームからも眺めることができます。作品の根本部分に人が立つと、空から地上へ広がる炎がその部分を避けるというインタラクティブな仕掛けもなされています。
会場レポート ダイジェスト動画(編集部撮影)
空から噴き落ちる、地上に憑依する炎 / Universe of Fire Particles Falling From the Sky》
炎は、燃焼することによって発生する光や熱の現象であり、物質ではなく、燃焼と呼ばれる化学反応を見る時の私たちの感覚的な経験である。
人々は、感覚的な経験である炎をひとつの物体のように認識し、時にはそこに生命を感じる。燃焼する気体の分子の動きによって、空間上に線を描く。そして、その線の集合で炎を描いている。その線の集合体を、チームラボが考える「超主観空間」によって平面化し、炎を描いている。
人々が作品の上に立つと、黒い絶対的な存在が生まれ、炎の形が変化していく。作品は、人々のふるまいに影響を受けながら、永遠に変化し続ける。
空から噴き落ちる、地上に憑依する炎 / Universe of Fire Particles Falling From the Sky》
憑依する炎 / Universe of Fire Particles
超巨大なアートへ身体ごと没入「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」を編集部も体験!
アートコレクティブ・チームラボによる、「水に入るミュージアム」 チームラボプラネッツは「Body Immersive」をコンセプトとしています。超巨大な作品の中に身体ごと没入することで、自分自身と作品との境界、他の人との世界の境界などをあいまいに、そして連続的に変え、境界のない新しい世界を模索していくというもの体験型のアート。
無料のロッカーに履物と手荷物を預け、はだしになってから展示作品を巡っていきます。作品間の通路は、水を含めて様々に異なる素材でできており、はだしで感じることでその質感を確かめながら進むことができます。作品の中では大人でも膝丈まで水に浸かって鑑賞するものもあります。また、床面が鏡張りになっている作品もありますので女性はパンツスタイル等での来館が良いかと思います。
《坂の上にある光の滝》
展示エリアへと進んでいくと、水の流れる坂が現れます。坂の上には光輝く滝。
以下、順不同にて作品を紹介していきます。
新作《憑依する炎》
エントランスの《空から噴き落ちる、地上に憑依する炎》と対になる形の新作、《憑依する炎》。壁面に浮かぶ黒い球に炎が憑依する形で燃え盛っています。炎は映像ではなくリアルタイム演算によって生成され、自然界のものと同様にいっときも同じ瞬間はありません。
炎は、燃焼することによって発生する光や熱の現象であり、物質ではなく、燃焼と呼ばれる化学反応を見る時の私たちの感覚的な経験である。人々は、感覚的な経験である炎をひとつの物体のように認識し、時にはそこに生命を感じる。
燃焼する気体の分子の動きによって、空間上に線を描く。そして、その線の集合で炎を描いている。その線の集合体を、チームラボが考える「超主観空間」によって平面化し、炎を描いている。
炎は、黒い絶対的な存在によって、形が変化していく
憑依する炎 / Universe of Fire Particles
teamLab, 2021, Digital Installation, Continuous Loop, Sound: Hideaki Takahashi
3年ごしに完成の「炎」
これまで植物や水のモチーフはありましたが、チームラボ作品で炎を表現したものはなかったように思い、担当者さまに訪ねてみました。
自然界のすべてを表現するというコンセプトの中で炎を描く作品というのは以前から構想があったそうですが、その表現方法について様々な面での苦心があり、完成までに実に3年の月日を擁したとのことです。
春限定で桜が広がる幻想的な空間に
季節とともに移ろう作品では4月30日(金)までの期間、桜が広がる春《憑依する炎》の空間に変化。巨大なドーム空間の作品には、空間いっぱいに桜が咲き渡り、来場者がはだしになって水の中を歩く作品では、水面を泳ぐ鯉が人々にぶつかると、桜に変化して散っていきます。
《人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング》
《人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング》では大人の膝丈くらいまで水に浸かって鑑賞体験する作品です。リアルタイムに描かれ続ける水面の鯉は鑑賞者を避けて泳ぎ回りますが、人にぶつかると花びらとなり散っていきます。花は1年を通じて季節とともに移り変わっていて、4月30日(金)までは春限定で桜となります。
《Floating in the Falling Universe of Flowers》
この作品もリアルタイムで描き続けられ、同じ瞬間は二度とありません。一年間の花々が、時間と共に刻々と変化しながら咲き乱れます。鑑賞者は鏡面の床に座り、あるいは寝転ぶことで、宇宙と一体化したような浮遊感を感じることができます。
こちらも春限定で桜がフィーチャリングされています。
1年間の花々が、時間と共に刻々と変化しながら咲き渡る生命の宇宙が、空間に広がっている。
寝転ぶ、もしくは、座ってしばらくいると、やがて身体は浮遊し、世界と一体化していくだろう。人々は自分のスマートフォンで蝶を選択し投げ込むと、生命の宇宙に蝶が舞う。
作品は、コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けている。あらかじめ記録された映像を再生しているわけではない。
花は、生まれ、成長し、つぼみをつけ、花を咲かせ、やがて、花を散らせ、枯れて、死んでいく。つまり、花は、誕生と死滅を、永遠に繰り返し続ける。
今この瞬間の空間は、2度と見ることができない。
Floating in the Falling Universe of Flowers
《The Infinite Crystal Universe》
《The Infinite Crystal Universe》では自身のスマホへダウンロードしたアプリと連動してエフェクトが変化します。
teamLab, 2018, Interactive Installation of Light Sculpture, LED, Endless, Sound: teamLab
写真ご提供 チームラボさま
《意思を持ち変容する空間、広がる立体的存在》
teamLab, 2018, Interactive Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi
編集部撮影
teamLab, 2018, Interactive Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi
写真ご提供 チームラボさま
概要:チームラボプラネッツ TOKYO DMM
写真ご提供 チームラボさま
開館時間他、最新の情報については公式サイトをご確認ください。
- 展示名 チームラボプラネッツ TOKYO (teamLab Planets TOKYO) DMM
- 会期: 2022年末まで
- 開館時間:4月1日(木)から4月23日(金)まで 平日 10:00 – 18:00 土日祝 9:00 – 19:00
- ※4月24日(土)から5月9日(日)までは 9:00 – 19:00 ※最終入館は閉館の30分前
クーポン情報
チームラボプラネッツの公式サイトで、チケット購入時にクーポンコード「planets」を入力し「適用」ボタンを押すと、15%OFFの割引価格で購入できます。期間限定、チケット購入時にクーポンコードが未入力の場合は、割引になりません。クーポンの適用は公式サイトからの購入のみということです。詳細は同じく公式サイトをご確認ください。
- クーポンコード:planets
- 対象期間:3月6日(土) – 4月23日(金)
公式サイト:チームラボプラネッツ TOKYO DMM
チームラボ
アートコレクティブ。2001年から活動を開始。集団的創造によって、アート、サイエンス、テクノロジー、そして自然界の交差点を模索している国際的な学際的集団。アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家など、様々な分野のスペシャリストから構成されている
チームラボは、アートによって、自分と世界との関係と新たな認識を模索したいと思っている。人は、認識するために世界を切り分けて、境界のある独立したものとして捉えてしまう。その認識の境界、そして、自分と世界との間にある境界、時間の連続性に対する認知の境界などを超えることを模索している。全ては、長い長い時の、境界のない連続性の上に危うく奇跡的に存在する。
ニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、シリコンバレー、北京、台北、メルボルンなど世界各地で常設展およびアート展を開催。東京・お台場に《地図のないミュージアム》「チームラボボーダレス」を開館。2020年秋まで東京・豊洲に《水に入るミュージアム》「チームラボ プラネッツ」開催中。2019年11月に上海・黄浦濱江に新ミュージアム「teamLab Borderless Shanghai」を開館。マカオに「teamLab Super Nature Macao」を開館予定。
チームラボの作品は、ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館(シドニー)、南オーストラリア州立美術館(アデレード)、サンフランシスコ・アジア美術館(サンフランシスコ)、アジア・ソサエティ(ニューヨーク)、ボルサン・コンテンポラリー・アート・コレクション(イスタンブール)、ビクトリア国立美術館(メルボルン)、アモス・レックス(ヘルシンキ)に永久収蔵されている。
取材ご協力
- チームラボさま、チームラボプラネッツ TOKYO DMMさま
- 記事中の写真及び動画は報道内覧会にて編集部が撮影したもの、またはチームラボさまご提供の広報用画像です。