百段階段に「猫充」しに行ってきた!「千の福ねこアート展 2020 at 百段階段」みどころ紹介(ホテル雅叙園東京・目黒)
展示会場内撮影OK! 日本を代表する猫アートが一堂に 千の福ねこアート展 at 百段階段 猫の一生 ~誕生から天上界まで~ ホテル雅叙園東京「百段階段」
ホテル雅叙園東京(目黒)の館内にある東京都指定有形文化財「百段階段」にて、展覧会「千の福ねこアート展at百段階段」が開催中です。
6つの会場には、創作招き猫作家の第一人者、もりわじんによる猫の一生をテーマとした福ねこが新作を含め1,000体。さらに、総勢22名の猫アーティストによる、陶芸・九谷焼・七宝焼・人形・切り絵・立体造形・絵画・装飾品・ぬいぐるみ・木彫りなど累計総数2,500点もの猫アート作品が展示される、猫、猫、猫づくしの展覧会です。会期は11月23日(月・祝)まで。
編集部では開幕前日の会場を取材、文化財いっぱいに展示された猫を堪能、じゃなくて取材してきました。
- 取材ご協力:ホテル雅叙園東京さま 有限会社風呂猫さま
- 記事中の写真は編集部の撮影によるもの、およびホテル雅叙園東京さまご提供の広報用写真です。記事中の画像、写真、文章の引用及び転載を禁止します。
展覧会みどころ「猫の一生」を神、死、生、楽、創、運のテーマとした展示構成
昨年の「猫都のアイドル展」では「アイドル」をキーワードに、さまざまな作家が猫作品を展開したのに対し、本展では現代の猫アート仏師「もりわじん」の世界をメインとしてフォーカス。「猫の一生」を神、死、生、楽、創、運をテーマとして、それぞれの会場に計1000体が展示されます。これら1000体のうち3割が新作というのもうれしいところです!
- 神-五大招福猫(十畝の間)
- 死-混沌神と泣き猫100体(漁樵の間)
- 生-誕生日猫366体(静水の間)
- 楽-愉快で自由な猫たち(星光の間)
- 創-古今東西の神話や伝説をもとに創作した50匹の不思議な世界(清方の間)
- げんかつぎ猫百覧会(頂上の間)
22名のアーティストによる、持ち帰れるアート「福猫展」も
「草丘の間」では、もりわじんを含む猫アーティストたちの個性的な逸品による、持ち帰れるアート「福猫展」が開催されます。陶芸、彫刻、七宝焼、人形、切り絵、立体造形、絵画、ぬいぐるみ、ジュエリーなど、さまざまなジャンルの猫アートが一堂に会し、気に入った作品は購入もOKです。
8組のアーティストによるリレーエキシビション「アート床の間」
同じく「草丘の間」では「福猫展」に加えて、8組の人気アーティストが床の間をギャラリー空間に見立て、リレー形式で個展を行う「アート床の間」も開催されます。
会場レポート
編集部は開幕前日の会場を取材しました。
エントランスから猫満載
エレベーターを降りると巨大な猫パネルが出現。今回のメイン出展作家である、もりわじんさんの代表作のひとつ「おおねむり猫」の等身大引き伸ばし写真パネルです。また、エントランスにはキャトグラファー(猫専門の写真家)の板東寛司さんの作品「猫的大運動会」と、早くも猫たっぷり状態。
いきなり「神」から始まります 神-五大招福猫(十畝の間)
最初の「十畝の間」は「神」がテーマ。「水・金・土・火・木」それぞれの要素を猫神様のかたちで表現した「五大招福猫」が一挙に登場します。
びっしりと作品を敷き詰める、ボリュームある展示方法が多い百段階段ですが、この部屋は大きな猫神様がお寺のご本尊の秘仏公開のように配置されており、また違ったインパクトがあります。
まるでお堂のような謎空間出現
まるでお寺のような空間になっていますが、長野にある瑠璃寺というお寺では、もりわじんさんによる「薬師猫神様」が実際に奉納されています。アート作品でもあり仏像作品でもあります。
100体の泣き猫! 死-混沌神と泣き猫100体(漁樵の間)
百段階段屈指の華やかさを誇る魚礁の間に展示されるのは、中国の古典に出てくる「混沌神(こんとんしん)」の死を悼む泣き猫100体によるインスタレーション。泣き猫たちは1体ずつ表情が異なります。それぞれの喜怒哀楽の表情もみどころです。
持ち帰れるアート「福猫展」(草丘の間)
中盤の「草丘の間」では気に入った作品を購入できる「福猫展」が開催されます。22人の猫アーティストが参加、もりわ じん作品も含め購入ができます。展覧会として見ても、ここだけで相当なボリュームがありまのでじっくりどうぞ。
ここでは、もりわじん作品も購入できます。1体1体価格が違っており、意外にもお求めやすいものも。あなたはどの猫と目があうかしら?
リレーエキシビション「アート床の間」
「草丘の間」の床の間をギャラリーとして、週替わりで8組のアーティストをフィーチャリング。リピーターで訪問しても毎回フレッシュな作品に出会えます。
上段左より
- ~10月27日(火) 東 早苗 / 「猫ホッコリ」(九谷焼)
- 10月28日(水)~11月1日(日) (木彫り) 小出 信久 / 「小さいネコと大切なもの」
- 10月28日(水)~11月1日(日)(陶芸) 松本 浩子 / 「猫の集会」
- 11月2日(月)~5日(木)(友禅染絵) 小紅 / 「福はいらんかえ」
下段左より
- 11月6日(金)~10日(火)(切り絵) 松風 直美 / 「幻象奇譚」
- 11月11日(水)~14日(土)(染色) 春日 粧 / 「ねこ弾いちゃった♪」
- 11月19日(木)~23日(月)(七宝焼) 平林義教・利依子 / 「七宝のかたち」
- 11月19日(木)~23日(月)(墨絵・ぬいぐるみ) 有田ひろみ・ちゃぼ / 「たのしい駅弁」
自分の誕生日の猫をさがそう 生-誕生日猫366体(静水の間)
「静水の間」の入り口からは畳の上に一艘の舟があるのが見えます。近づいて見ると、舟の中には猫が寝ています。この舟は船大工の作った本物。新たな船出をイメージした作品「船出」で、のんびりと横たわるのはフォトスポットの猫でもあるそうです。
誕生日猫366体の【招きたん】。毎日が誰かしらの誕生日、「おめでとう」と声をかけあうことで世界は平和、福の輪が広がるというテーマで、ぎっしりと猫が並んでいます。自分や家族の誕生日猫を探してみては。
鉄腕アトム猫!?ユニークで面白い猫がたくさん 楽-愉快で自由な猫たち(星光の間)
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を、もりわじんなりの解釈で表現した平面作品「雨に負けるわけがない」。ユーモラスで、そしてしなやかで力強い猫の姿が描かれます。
ニャロメや鉄腕アトムなど、赤塚不二夫、手塚治虫トリビュート作品も。
こちらは禅の考えを示す「十牛図」ならぬ「十猫図」。
摩訶不思議な猫が大集合 創-古今東西の神話や伝説をもとに創作した50匹の不思議な世界(清方の間)
美人画の大家、鏑木清方の作品に囲まれた「清方の間」には、「サ゜スウォスス of キャッツ ワールド」という作品群が展示されます。この「サ゜」はもりわじんさんの造語。人間の言葉では発音が難しいのですが、「ツァ」に近い音、ということです。
古今東西の神話や伝説・伝承をもとに立体作品、平面作品が一体になった多面的な作品。それぞれの猫たちのプロフィールを読んでいくのも楽しい時間。
障子の桟に対して垂直に棚板を出し、その上に立体作品をピアノ線で補助しつつ固定するという根気と手前の必要な展示方法にも注目を。
大作「超幸福猫」「猫大仏」 頂上の間
最後の部屋となる「頂上の間」は、100体のユニークな福猫と大作[超幸福猫][猫大仏]が展示されます。
まず、入り口手前の「超幸福猫」。2004年のこの作品は、今まで正座やあぐらの猫が多かったのですが、初めて楽しく踊っている姿にした…ということですが、タイトルのとおり、表情といい、ポーズといい「超幸福」!
こちらは、鎌倉の大仏様からのイメージという瞑想猫。
げんかつぎ猫百覧会
すべての名前に「福」がついている縁起の良すぎる猫たち。今回のために制作された福猫は、おみくじを引き、出た番号の[げんかつぎ猫]が来場者の福猫になるという参加型の企画です。
まだまだ会場には猫が大勢。ぜひ足を運んで猫まみれを楽しんでくださいね。ところで、展覧会はまだ続きがあるんです。
もう一つの「福ねこアート展」。ぜひミュージアムショップもじっくりチェックを!
出展作家さんの関連作品、百段階段のグッズや図録の他に、ミュージアムショップ独自セレクトの「猫アイテム」などが販売されています。
写真の猫があしらわれた帯は、支配人の田中さんのイチ推しアイテム。お求めやすい価格なので、早い者勝ちとなります。
編集後記(記者の感想など)
いつも以上に竜宮城感が高い、”濃厚すぎる”展覧会でした。
当初、本展は今年の春に開催で予定されていましたが、コロナ禍の影響により時期を変更して開幕となりました。「猫の一生」になぞられた人生というテーマは、コロナ禍を通じて期せずして展覧会としてまた別の意味合いを見いだす形になったとも言えるでしょう。
本展は日時指定予約制ではありませんが、密を避けるために会場内の人数制限を行っています。逆に言うと常にゆったりと観覧することができるとも言えます。グッズ等は早い者勝ちなので、SNS等の口コミが広がる前の会期前半に予定を入れてしまうのがオススメかもです。
しばし日常を忘れ、猫をがっつり補充して来てくださいね!
「千の福ねこアート展 at 百段階段」開催概要
- 展覧会名:千の福ねこアート展 at 百段階段
- 開催期間:開催中~2020年11月23日(月・祝)※会期中無休
- 開催時間:日~木曜日・祝日 10:00~17:00(最終入館16:30) 金・土・祝前日及び11月1日(日) 10:00~20:00(最終入館19:30)
- 入場料 :当日¥1,600/特別前売¥1,100 ※10月22日まで館内(16:30)及び公式オンラインチケットで販売 大学生・高校生¥1,000、中学生・小学生¥600※要学生証呈示、未就学児無料
- 会場 :ホテル雅叙園東京
- お問合せ:TEL.03-5434-3140(イベント企画 10:00~18:00)
出展作家一覧 :順不同・敬称略 ※団体含む
有田ひろみ•ちゃぼ(墨絵・ぬいぐるみ)大江フミト(ジュエリー)岡村洋子(陶芸) / 奥平浩美(ジュエリー) / 小澤康麿(陶芸他) / 春日 粧(染色) / 小出信久(ミニチュア木彫り) / 河辺花衣(絵画/立体造形) / 小紅(友禅染絵) / 櫻井魔己子(立体造形) / 松風直美(切り絵) / 半澤淳子(陶芸) / 東 早苗(九谷焼) / 東 直生(陶芸) / ひがしりょうこ(陶芸) / HISOKA(FRP造形) / 平林義教•利依子(七宝焼) / 松本浩子(人形) / 水谷 満(陶芸他) / もりわじん(立体造形/画) / よねやまりゅう(彫刻/人形) / 渡辺志野(陶芸)