丹沢大山初心者は女坂がおすすめの理由　女坂の七不思議を探そう！

ケーブルカーを使わずに行ってみよう！となって、男坂・女坂の分岐所で悩んでいる方々をよく見かけます。男坂は極端な角度の階段が延々続き、少なくともちゃんとした靴は履いていないとちょっとキビシイです。トレッキング初めての人には女坂も充分手応えがありますので。 大山・男坂と女坂の分岐。右方向は男坂へ。 もうひとつ、女坂をおすすめする理由は「女坂の七不思議」を巡れる点。男坂は大山寺も経由しないし、七不思議も見られません。いずれにしても慣れていない中高年にはそれなりにハードですが、充分に準備して、ケーブルカーからでは見れない景色を楽しんでください。 7つ目の不思議に向かう石段 関連記事 https://susmca.com/ooyama-tsukinowa-guma/ 大山・女坂の七不思議 女坂の七不思議 女坂の途中にある大山寺は755年に奈良の東大寺を開いた良弁僧正が開山したお寺です。そして大山寺三世として、かの弘法大師が住職を務めました。弘法大師が開祖という寺院は数多くありますが、大師自らが住職を務めたと伝わる寺は非常に珍しいということです。弘法大師によって数々の霊所が開かれ、大山七不思議と言われる霊地信仰が確立します。 女坂の七不思議 その一 弘法の水（こうぼうのみず） 最初の沢のあたりに出てくるのが弘法の水。大山寺さんのブログによるとペットボトルで水を汲み持ち帰る人が絶えないということですが、沢なので、充分注意して。 「弘法の加持霊水」ともいい、弘法大師が岩に杖を突いたら、その跡から清水がこんこんと湧き出たという。夏でも枯れることがなく、いつでも水の量が変わらないという。 弘法の水 女坂の七不思議 そのニ 子育地蔵（こそだてじぞう） もみじばし 弘法の水を抜け「もみじばし」という小さな橋を渡ると、見えてくるのが子育地蔵。脇にも小さなお地蔵さまが。 子育地蔵 最初は普通のお地蔵様として安置されたが何時の頃からか顔が童（わらべ）最初は普通のお地蔵様として安置されていたが何時の頃からか顔が童（わらべ）に変わっていた。この地蔵に祈ると子供がすくすくと丈夫に育つといわれる。 子育地蔵 女坂の七不思議 その三 爪切り地蔵（つめきりじぞう） 爪切り地蔵 こちらは爪切り地蔵。爪に関してのご利益があるお地蔵さま？と思ったら違いました。弘法大師が爪で彫ったとされるお地蔵さまです！もともとあった自然石に彫り付けたもので、昔は上屋がかかっていたそう。また、実際は室町後期大永年間の作だと言うことです。 弘法大師様が道具を使わず、一夜のうちに手の爪で彫刻されたと伝えられている。何事も一心に集中努力すれば実現できるとの教えである。 だんだん階段が険しくなって来ます…。 女坂の七不思議 その四 逆さ菩提樹 上が太くて下が細く 逆さに生えたように見えることから逆さ菩提樹という。 現在は二代目である。 菩提樹は仏教でブッダの悟りを示す言葉でもあります。 逆さ菩提樹 階段をがんばってあがると大山寺…ですが、大山寺自体も急階段です。阿夫利神社下社からの眺めも素晴らしいですが、大山寺の階段上からも負けていません。紅葉の時期が楽しみ！ 大山寺の階段からの絶景 女坂の七不思議 その五 無明橋（むみょうばし） 大山寺の脇から登山道に戻ると、水なし川にかかる赤い橋が現れます。この無明橋、ちょっとした注意が必要。 無明橋 話をしながら通ると、橋から下に落ちたり、忘れ物や落とし物をしたり、悪いことが起きたりするという。 「無明」とは仏教用語で苦の根源たる無知を表す言葉です。鳥取の大山にも「無明の橋」があるそうで、こちらは橋を渡ると一切の罪障が消滅するとされているのに比べると、丹沢の方はずいぶんと恐ろしい橋ですね。なお、鳥取の方は「おおやま」ではなく「だいせん」と読むようです。 女坂の七不思議 その六 潮音堂（ちょうおんどう） 話をしないように注意しながら無明橋を渡ってすぐの所にあるのが、六番目の不思議、潮音堂です。自然岩盤の中に四角い掘り込みがあります。 潮音堂 洞（ほこら）に近づいて心を鎮め耳を澄ませると遠い潮騒が聞こえるという。この洞の中にどのような神秘が隠されているのであろうか？ さてここからは目のくらむような階段ラッシュ。七番目の不思議は、その階段の前半にあります。 女坂の七不思議 その七 眼形石（めかたいし） 眼形石 人の眼の形をしたこの石に、手を触れてお祈りすれば、不思議に眼の病が治ると言い伝えられている。 急な階段の途中ですので注意して。 眼形石 阿夫利神社下社まではもうひとがんばり…。 阿夫利神社下社 阿夫利神社下社からの眺め 編集後記とリソース 女坂の七不思議については、立て看板以上の情報が今のところ得られていなくて、たいていのネット記事が、大山観光青年専業者研究会さんによる立て看板を丸写しする形になっていることが多いみたいです。機会があれば資料館などでも探してみたいと思います…。 記事中の写真および動画は編集部による撮影 https://youtu.be/0gTq1ovZHD0?si=Ww-Hd_E4M0XMPsNv