[会場レポと見どころ]「おいしい浮世絵展」(六本木)

2020-07-14

投稿:ススミカマガジン編集部
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#六本木

[会場レポと見どころ]「おいしい浮世絵展」(六本木)

「おいしい浮世絵展 ~北斎 広重 国芳が描いた江戸の味わい~」を取材

編集部撮影

 展覧会「おいしい浮世絵展 ~北斎 広重 国芳が描いた江戸の味わい~」が7月15日(水)より森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー 52階)にて開催中です。(9月13日まで)本展は4月17日(金)の開幕を予定していましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により開催を延期していました。編集部では開幕に先だって開催された報道内覧会を取材しました。

  • 取材協力:森アーツセンターギャラリーさま
  • 記事中の会場内の写真は編集部の撮影によるもの、それ以外は広報事務局さまご提供のものとなります。記事中の画像、写真、文章の転載及び引用を全て禁止します。

会場のようす(森アーツセンターギャラリー)

 浮世絵の世界には江戸の風俗史として「日本の食」が度々描かれてきました。「浮世絵」と無形文化遺産にも登録された「和食」。本展は、これら2つの要素をかけ合わせ、浮世絵そのものの魅力とともに、当時の料理本やレシピなども紹介される、江戸の食のシーンを体験できる展覧会です。

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編集部撮影

 展覧会は「第1章 季節の楽しみと食」「第2章 にぎわう江戸の食卓」「第3章 江戸の名店」そして「第4章 旅と名物」の4章構成。浮世絵作品と一緒に、鰻、寿司、天ぷらといった、江戸を代表する料理を再現してみたレシピのパネルなども展示されます。

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編集部撮影
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編集部撮影
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編集部撮影
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編集部撮影
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編集部撮影

 江戸の天ぷらは江戸前の魚介類をごま油で揚げるというスタイルで、現代のものよりも衣が分厚かったそうです。また、当時は屋内で火を使うことは禁止させていたため、天ぷらや鰻の蒲焼きも、寿司や蕎麦同様に屋台で供されていたといいます。江戸庶民の食生活に触れることができるという点でも、かなりユニークな展覧会といえます。

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編集部撮影

ミュージアムショップ

 浮世絵のみならず、再現料理のレシピや名店の紹介まで深堀りした充実の公式図録は3,000円税込。

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編集部撮影
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編集部撮影
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編集部撮影

作品紹介

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春の虹蜺 歌川国芳、個人蔵

第1章 季節の楽しみと食

 春夏秋冬の年中行事や浮世絵にまつわる浮世絵から、江戸の人々が楽しい時にどんなものを食べていたのかを紹介。

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  • 見立源氏はなの宴 三代歌川豊国(国貞)、味の素食の文化センター蔵

第2章 にぎわう江戸の食卓

 江戸時代の食模様が描かれている浮世絵をみながら、当時の食事情を紐解いていきます

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  • [左] 縞揃女弁慶 松の鮨 歌川国芳、味の素食の文化センター蔵
  • [中] 春の虹蜺 歌川国芳、個人蔵
  • [右] 「北斎漫画」十二編 葛飾北斎、浦上満氏蔵
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  • [左] 風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗 月岡芳年、味の素食の文化センター蔵
  • [中] 「北斎漫画」十編 葛飾北斎、浦上満氏蔵
  • [右] 神無月はつ雪のそうか 歌川国貞、日本浮世絵博物館蔵
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  • 日本橋魚市繁榮圖 歌川国安、江戸ガラス館蔵
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  • 名酒揃 志ら玉 歌川国芳、江戸ガラス館蔵

第3章 江戸の名店

 江戸時代後期には多くの料理茶屋が誕生しました。両国柳橋の河内屋や八百善など高級店も登場し、文人たちの交流の場となり、書画会や句会なども料理茶屋で催されるようになりました。こうした場所もしばしば浮世絵に描かれています。

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  • 江戸高名會亭盡(えどこうめいかいせきづくし) 両国柳橋 河内屋 歌川広重、味の素食の文化センター蔵
  • [左] 東都高名會席盡(とうとこうめいかいせきづくし)  武蔵屋 武蔵坊弁慶
    /歌川広重、三代歌川豊国(国貞)、味の素食の文化センター蔵
  • [右] 東都高名會席盡(とうとこうめいかいせきづくし)  松の鮨 鮓屋娘お里
    /歌川広重、三代歌川豊国(国貞)、味の素食の文化センター蔵 

第4章 旅と名物

 参勤交代のために、東海道、中山道、日光街道、奥州街道、甲州街道という五街道、さらに各宿場が整備されていき、次第に庶民たちも旅に出かけるようになります。歌川広重や葛飾北斎のシリーズ物のように、東海道を題材にした数多くの浮世絵作品も生み出されています。ここでは名物の中でも飲食に関わるシーンを描いた東海道作品を紹介します。

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  • 東海道五拾三次之内 鞠子 名物茶屋 歌川広重、浦上満氏蔵
  • [左] 東海道五拾三次之内 水口 名物干瓢 歌川広重、浦上満氏蔵
  • [右] 「北斎漫画」十三編 葛飾北斎、浦上満氏蔵

展覧会について

 混雑緩和のため、本展では事前予約制が導入されています。すでにチケット等をお持ちの方もオンラインでの「日時指定入館券」もしくは「日時指定入館券(無料)」の予約が必要です。詳細につきましては公式サイトを必ずご確認ください。

  • 展覧会名:「おいしい浮世絵展~ 北斎 広重 国芳たちが描いた江戸の味わい~ 」
  • 会期:2020年7月15日(水)~9月13日(日) 会期中、展示替えがあります。展示は下記4期にわけられております。
  • 1期:7月15日(火)~7月30日(木)2期:7月31日(金)~8月13日(木)3期:8月15日(土)~8月28日(金)4期:8月29日(土)~9月13日(日)
  • 休館日:8月14日(金)
  • 会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)
  • 開館時間:10:00~20:00 ※7月21日(火)、28日(火)、30日(木)、8月28日(金)は17時まで ※入館は閉館の30分前まで
  • お問い合わせ:03-5777-8600 (ハローダイヤル)

公式サイト