[行ってきた]百段階段「百段雛まつり 2019 青森・秋田・山形ひな紀行」見どころ紹介(ホテル雅叙園東京)
最終更新 2019年1月24日 展示情報を追加、実際に現地取材もしており、かなり詳しいコンテンツになりました!
日本全国の、歴史ある雛人形がここ目黒に。
青森・秋田・山形より1000点もの名品が集結
1月18日(金)より、ホテル雅叙園東京館内にある東京都指定有形文化財「百段階段」にて、「百段雛まつり 青森・秋田・山形ひな紀行」が開催中です。(会期は9月2日(日)まで)この「ひな紀行」展は2010年の「山形ひな紀行」に始まり、今年でなんと10回目。過去9回では実に延べ55万人を超える来場がありました。
見どころ
関東初公開!全長16メートルにおよぶ旧弘前藩主津軽家の雛道具[青森・弘前]/草丘の間
日本屈指の桜の名所として知られる城下町である青森県弘前市。本展では、最後の弘前藩主・津軽承昭(つがるつぐあきら)伯爵が明治後期に誂えたものと伝えられる「蝋色笹唐草御紋付雛道具」(ろいろささからくさごもんつきひなどうぐ)を展示。全てを並べると全長16メートルにもなる大変立派なもので、旧弘前藩主家である津軽家から弘前市立博物館へ寄贈された逸品です。大名家の姫君の華やかな生活を彷彿とさせるような婚礼調度の数々はまさに圧巻です。礒部草丘による欄間、天井に配した日本画とともに雛御殿の中にいるかのような風情を体感できます。
高さ40cm!江戸時代のお雛さまと日本三大つるし飾り 傘福[山形・酒田]/清方の間・漁樵の間
庄内地方に江戸時代から伝わる伝承民俗文化財「傘福」は雛人形とともに飾られ、福岡県柳川市の「さげもん」、静岡県稲取市の「雛のつるり飾り」とともに日本三大つるし飾りの一つに数えられています。子どもの健やかな成長と夫婦円満、無病息災などを祈願して作られた飾りものです。「清方の間」では、旧家 加藤家に代々伝わる男雛 高さ43cm、女雛 高さ40cmの優美な古今雛をご覧いただけます。
遠藤家の高さ2メートルの段飾り[青森・八戸]/十畝の間
青森県の南東部に位置する八戸市は、南部地方の中心地として古くから栄えてきました。遠藤家のお雛さまは、八戸在住の遠藤氏の個人コレクションです。本展では、高さ2メートルの段飾りや、有職雛や古今雛をはじめとする優麗なお雛さまと雛道具、童子顔の七福神や三歌人など、雅やかな人形たちが文化財を舞台に一堂に会します。 雛御殿の中にいるかのような、絢爛豪華な雛まつりの世界を堪能できます。
東京初公開!本荘藩主六郷家の極小雛道具 約50種総数450個[秋田・由利本荘]/星光の間
秋田県の南西部に位置する由利本荘市は、南に秀麗な鳥海山、西は日本海に囲まれた自然豊かな街です。本展では、第11代本荘藩主 六郷政鑑(ろくごうまさあきら)の娘、よしこ賀子様の婚礼のお祝いに贈られた古今雛と雛道具を展示。約50種類、総数でおよそ450個にも及ぶ極小の雛道具は黒漆に牡丹唐草の金蒔絵が施された精巧な作りで、江戸時代後期から幕末期にかけて江戸上野で製作された「七澤屋物」と伝わっています。東京での公開は初めてとなります。
百段階段について
「百段階段」は、1935年(昭和10年)に建てられた同ホテルに現存する唯一の木造建築。数々の著名な芸術家たちがつくりあげた作品群が輝きを放つ“美術の殿堂”で、これまでキルトや和のあかり等の展示会などが行われてきました。
展示一覧
報道内覧会にて編集部撮影
- 十畝の間(じっぽ):七戸と八戸の雛まつり(青森・七戸、八戸)
- 漁樵の間(ぎょしょう)
- :酒田の雛まつり(山形・酒田)
- 草丘の間(そうきゅう):旧弘前藩主津軽家の雛道具(青森・弘前)
- 静水の間(せいすい):河北町の雛まつり(山形・河北町)
- 星光の間(せいこう):秋田のお雛さま(秋田・湯沢、由利本荘)
- 清方の間(きよかた):加藤家のお雛さま(山形・酒田)
- 頂上の間(ちょうじょう)
- :現代へと続く工芸(青森・弘前、八戸/山形/特別協力 中川政七商店)
会場の紹介
第10回目を迎える今回は、青森・秋田・山形をテーマに、3県8地域より約1,000点もの名品が集結。古くは江戸時代に生まれたもお雛さまも。北前船の交易によって江戸や京都から様々な品物が入ってきた地域ならではの逸品や、藩主、旧家ゆかりの品など、青森、秋田、山形の町々に春の息吹を感じさせる雅やかな世界にひたれます。
会場入口
東京を代表するお雛様のひとつです。
七戸・八戸のお雛さま
関東初公開!全長16メートルもの展示スペースに揃う旧弘前藩主津軽家の雛道具
「草丘の間」では弘前市博物館蔵の「蝋色笹唐草御紋付雛道具」が展示されています。最後の弘前藩主・津軽承昭伯爵が明治後期に誂えたと伝えれ、全部を並べると長さ16メートルにもなります。 関東での公開は本展が初めて。
横に広げると16メートルということはひな壇に飾った場合はさぞ大きなものになるのではと思いますが、ひな壇飾りの形式は近年の風習ということで、その昔の大名はこれらの膨大な雛道具を座敷一面に並べて飾ったということです。
山形・酒田の加藤家のお雛さま
酒田の旧家、加藤家に伝わるお雛さま。ガラスの玉眼による優美な表情です。写真は楽人の演奏する雅楽に合わせて華麗に胡蝶を舞う舞人で、背中の羽飾りもの豪華な刺繍に見入ってしまいます。
青森八戸・えんぶり人形
頂上の間の手前では、みちのく5大雪まつりのひとつ「八戸えんぶり」をモチーフにした生き生きとした人形が展示されています。えんぶり人形作家の下崎雅之さんが、顔や体、衣裳をはじめ烏帽子や小物に至るまで、全て手仕事で誂えており、一体仕上げるのにおよそ四ヶ月もかかるそうです。
この躍動感!
実際は99段
実は「百段階段」は99段で、あと1段足さず止めているわけには諸説あるそうです。近日別の記事でご紹介したいと思います。
開催概要
項目 | 内容 |
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展覧会名 | ひな紀行 百段雛まつり |
会期 | 2019年1月18日(金)から3月10日(日) |
時間 | 10:00-17:00(最終入館16:30) |
入場料 | 当日1,500円、学生800円、小学生以下無料 |
会場 | ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」 (東京都目黒区下目黒1-8-1) |
アクセス | 電車…目黒駅(JR山手線・東急目黒線 東京メトロ南北線・都営三田線)より徒歩3分 |
主催 | 百段雛まつり展実行委員会 |