今度の主役は「トゲトゲ」だ!特別展「恐竜博2023」会場レポート& みどころ紹介(国立科学博物館)※閉幕
前回の「恐竜博2019」から3年半、カハクに帰ってきた「恐竜博」の主役は「トゲトゲ」。鎧竜”ズール”の全身実物化石が日本初公開されるなど、今回も注目が集まります。
編集部では開幕に先だって開催された報道向け内覧会を取材、会場の展示の様子を紹介するとともに、
記事後半では、特別展「恐竜博2023」のみどころポイントをまとめてお伝えしていきます。
※本記事は閉幕した東京会場(国立科学博物館・上野公園)の会場レポートです。
特別展「恐竜博2023」 会場レポート
報道向け内覧会取材より、会場の様子といくつか気になった展示物をピックアップ。会場レポート動画とあわせてどうぞ。チャンネル登録もぜひお願いします。
特別展「恐竜博2023」の会場をほぼフルに紹介する動画レポート。
キーワードは恐竜たちの「攻・守」
恐竜と聞くと、真っ先にティラノサウルスのような巨大な肉食恐竜を思い浮かべる人も多いかも知れませんが、今回の特別展「恐竜博2023」は「トゲトゲ」が主役とキャッチコピーにあるように、恐竜たちの「攻・守」がテーマとなります。これを象徴するように会場入口のパネルには、ゆっくりと歩みを進める鎧竜のシルエットが映し出されていました。
展覧会では、防御のために全身に「鎧」をまとった草食の恐竜たち「装盾類(そうじゅんる)」と、それに対抗するために巨大な体や強大な爪など、自らを進化させていった肉食恐竜たちの比較が紹介され、恐竜の多様な進化が読み解かれます。
”脛の破壊者”ズールの棍棒がゴルゴサウルスへ直撃!
写真はズールvsゴルゴサウルスの死闘を再現した展示のようす。
今回、全身実物化石が日本初公開となったアンキロサウルス類の鎧竜・ズール(左)ただし、この写真は全身骨格の複製で、全身実物化石とは別に展示されているものです※カナダ・ロイヤルオンタリオ博物館(ROM)以外では初公開となる、ズールの全身実物化石は、動画の方で紹介しています。
ズール・グリヴァスタトルの種小名「グリヴァスタトル」は「脛の破壊者」という意味。ズールを捕食した獣脚類としては最大の種とされるコルゴサウルス(右)の右足の骨の部分に骨折が治癒した跡があり、ズールの棍棒による攻撃の傷ではないかと指摘がされているそうです。