タリバンに破壊された《青の弥勒》が「復活」、「みろく - 終わりの彼方 弥勒の世界 -」展を取材 (東京藝術大学大学美術館)

東京藝術大学大学美術館にて、バーミヤンからシルクロードを経て日本へと続く“弥勒の道”を辿る、国内初の展覧会「みろく - 終わりの彼方 弥勒の世界 -」展が開催中です。

編集部撮影
2001年にタリバンに破壊された、バーミヤンE窟仏龕及び天井壁画《青の弥勒》が、本展覧会のためにスーパークローン文化財の技術により復元制作、本展にて初公開されています。9月21日(火)には、オンライン国際シンポジウムも開催。展覧会の会期は10月10日(日)まで。
「みろく - 終わりの彼方 弥勒の世界 -」展が開幕、会期は10月10日(日)まで
本展は、ガンダーラとアフガニスタンの弥勒菩薩像、スーパークローン文化財の技術をもって原寸大復元したバーミヤンE窟仏龕天井壁画の《青の弥勒》を中心に、スーパークローンの敦煌莫高窟275窟交脚弥勒菩薩像、バーミヤン東大仏天井壁画《天翔ける太陽神》、法隆寺金堂9号壁を一堂に会し、弥勒の道を辿るというもの。

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「東京藝術大学アフガニスタン特別企画展」(2015年)、「素心伝心 —クローン文化財 失われた刻の再生」(2017年)に次ぐ、文部科学省が推し進める「革新的イノベーション創出プログラム」事業の成果発表の場となる展覧会です。

主な展示作品
釈迦仏入滅。この暗く沈んだ世界に救世の光をもたらす未来仏・弥勒。東アジアで広く親しまれ、日本に深く浸透した弥勒は誕生の地ガンダーラから時空を超え、交易と仏教伝来の道シルクロードをたどってヒンドゥクシュを抜け、天山を越え、海を渡って遥か東方の日本に至っています。

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6世紀、その中継地となったアフガニスタンのバーミヤンの磨崖に、像高55メートルの弥勒の大仏(西大仏)が刻まれ、多くの人々の信仰を集めていました。しかし、あいつぐ戦乱の中で、バーミヤンの仏たちは破壊され、往古の姿を失ってしまいました。
- バーミヤンE窟仏龕及び天井壁画《青の弥勒》 想定復元(2021年)(東京藝術大学COI拠点)
- 敦煌莫高窟275窟《弥勒交脚像》再現(70%縮小)(東京藝術大学COI拠点)
- 法隆寺金堂9号壁画《弥勒説法図》 想定復元(東京藝術大学COI拠点)
- 《弥勒来迎図》模写(芸大美術館)
- 《弥勒三尊像》(芸大美術館)
- 《バラモン形菩薩頭部》 (平山郁夫シルクロード美術館)
- 《弥勒菩薩坐像》(平山郁夫シルクロード美術館)

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会期中イベント
- オンライン国際シンポジウム 『 弥勒の道からのメッセージ 〜スーパークローン文化財で蘇ったバーミヤン「青の弥勒」は何を語るのか〜 』
- 2021年9月21日(火) 13:00~16:30
開催概要
※ 本展は事前予約制ではありませんが、今後の状況により、変更及び入場制限等を実施する可能性があるとのことです。
- 展覧会名:「みろく – 終わりの彼方 弥勒の世界 −」展
Message from the Future: The Exhibition of the World of MIROKU - 会場:東京藝術大学大学美術館 3F
- 会期:2021年9月11日(土)〜2021年10月10日(日)
- 開館時間:10:00〜17:00(最終入場16:30)
- 休館日:月曜日、9月21日(火)〈オンラインにてシンポジウムの開催〉 ※ 9月20日(月・祝)は開館 チケット情報
- 一般当日 :1,000円
- 大学生当日: 700円
- ※当日窓口販売のみ
- ※高校生以下及び18歳未満、障がい者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料
東京藝術大学大学美術館のWEBサイト
取材ご協力
- 東京藝術大学大学美術館さま
- 記事中の写真は報道向け内覧会にて編集部が撮影。