第30回国際化粧品技術者会連盟世界大会で「動き」による老化を発表!
2018年9月18日~9月21日にドイツ・ミュンヘンにて第30回国際化粧品技術者会連盟世界大会の口頭発表部門が開催されました。工学院大学情報学部情報デザイン学科・蒲池みゆき教授とポーラ化成工業株式会社の共同研究グループは、人は肌の動きで老化を判別していることを発表。これまで着目されていなかった肌の「動き」による老化印象の研究について発表しました。子供もお年寄りも、みんな同じように顔の筋肉を動かしているように思いますが、年齢によって使う表情筋が違うのでしょうか。とても興味深い研究発表です。
研究するに至った背景とは?
この研究をするに至った背景には、これまで表情の「動き」に着目して研究が進められていなかったという背景があります。これまでは様々な表情の静止画像を対象に研究が行われていました。そのため、常に目にする動いている他者の表情のうち、肌の「動き」方からも老化の兆候を無意識に感じているのではないかという考えから、この研究がスタートしました。
研究概要
研究対象は20代~60代の女性。方法としては、女性が表情を変える際の動きについて、動画と静止画を用意し、一般モニターがそれぞれの年齢印象について評価するというものです。
40代を境に、肌の動きの遅れを発見!
その結果、40代の顔を境に、動いている顔の方が年配に見えているということが判明しました。
そこで、モーションキャプチャーを用いて肌の動き方の年齢変化を調べたところ、表情を作る際のごくわずかな肌の動きの遅れをエイジングサインとして感じ取っていることが示唆されました。そして、この「肌の動きの遅れ」の原因が、皮膚組織の上層が硬くなり筋肉の動きが皮膚表面に伝わりにくく、肌が顔の動きに追いつけなくなっていることだと分かりました。

まとめ
確かに、人は言葉では説明できない“何か”を感じ取り、老化を判別できるときがあります。例えば、後ろ姿であっても、なんとなく「この人は若い人」「この人は年寄り」だと分かったり、同じ服装をしていても遠目で大体の年齢が推測できてしまうというようなことがあります。年齢を判断できる理由を聞かれても答えられないけれど、人は無意識にこういったほんのわずかな違いを読み取り、年齢を推測しているのでしょう。この研究で得た知見は、今後の商品サービスに応用されるようです。もし、このほんのわずかな違いを解消できる商品ができたのなら、とても画期的な商品になることでしょう。
参考
- 工学院大学、肌の動きのタイムラグで老化印象の原因を解明~ポーラ化成工業との共同
研究成果~
